海の王


二人は太陽が昇りはじめると同時に宿を出て船に乗った。

城門直通の白い船で、朝早くのためか2人以外に客は見られなかった。

「ここですか」

「ここですね」

声二つ。

二人は眼前にそびえたつ石の城を見上げ口を開ける。

その白い壁は高くそびえ、対になっている塔が二つ、そして中央に大きなものが一つ。

昔からあるであろうクラシックな城に歴史を感じる。

とりあえず門の入り口にある受け場にて面会チェック。

兵が何人か出てきて身体チェックの後に質問、そして小一時間ほど待たされた。

「どうぞ」

ふと、女が部屋のとをあけて二人に外に出るようにいう。

女の開いた戸は隣の部屋とつながっており、抜けたところは青白いふかふかの絨毯に白い内壁。

小さなシャンデリアに大きなランプ。窓辺には金の装飾に赤茶のカーテン。さらに部屋に兵士が十人ほど。

そして中央に騎士と思しき大柄の男と椅子にすわっている男がいた。座る男の肩には王位を示す國紋の刺繍の入った布。

キョロキョロと田舎者よろしく部屋に入ってきた二人だが椅子に座る男を見とめるとすぐにひざまずき深く叩頭した。

「ああ、いいよ。そんなものはしなくて」

響く軽い声。

「?」

いぶかしがりながらゆっくりと顔を上げるとそこには満面の笑みを浮かべる男がいた。



その男は海の王で現王族・マニ家の中でも最良の王といわれる。

見て取る年は三十過ぎと若く、旧王である彼の父はまだ健在。ご年前に王位を息子に渡した。王の名はユウザ。

王にしてはかなりこざっぱりとした格好で短髪だった。

王であるにもかかわらず二人にかける声はあくまで優しく、軽い。

そんな王を隣で騎士がたしなめるが王はそれでも笑った。

「いいさ、どうせ今は王としてあっているのではないのだから。

ああ、掌空の王に聴いているよ。なんとも、わがままに付き合ってあげているんだね。

御苦労様、あっ・…と失礼。

実を言うと掌空の王は苦手でね。どうにもあの性格にはついていけない。

もちろん、こんな私情を國の間に持ってたりはしないが…まあ、うん…。

まさか本当に国司を派遣するとは驚いたよ、来るとは思わなかったから」

「こら」

「いいじゃないか、アルダ」

軽く咎めた騎士に王は笑う。

「大丈夫、決して迷惑ではないから。

君たち二人だけなのか?」

「あ…、ハイ」

慌てて返事をするハヤテ。

「申し遅れたね、一応いっておくよ。

私が泰海王・ユウザ、こっちが代々うちの側近を勤める家のアルダ」

「あ…あ…あわわ。

 えっと…私がハヤテ、こっちがスバルです」

なんとも砕けた雰囲気に押されながらも自己紹介。

王は二人に優しく接し、空気を和ませた。

そして小一時間の談笑の後、王は言う。

「ああ、それで私に挨拶を兼ねて許可を貰いにきたんだね」

「はい」

二人が王に面会がてら貰いに来たのは王立管理地域の通過許可だった。

そのような御大層な場所にこそ陣はあると踏んだ二人は許可を申請したのだった。

もちろん王にあわなくて良いはずなのだが名君といわれ親しまれる王。申請を口実に謁見を賜ったわけだ。

そして二人が向かおうとしているのは國の中でも最南端の方にあたるアガ洞窟。

そのなかに古くから残される遺跡があるということだった。

「許可…いただけますでしょうか?」

「ああ、うん。いいさ。

 行ってもたいした物はないけれど、もうほとんど國が回収してしまったよ。

 あれがあるんだかどうだか。

誰もみたことはないのに探させるとは、掌空は意地が悪いな。

せめて探査団を組んでから送り出してやってもいいだろうに」

へらりハヤテは笑った。

「まあ…ないかもしれないものにそんなに力む必要はないですから。

 所詮俺らは遊びのこまみたいなものじゃないですかねぇ。

 『あるらしい、探してこい』っていわれただけだし…まあ気楽に行きます」

王はそれに答えるように笑うと一枚の書状を出した。

「これを近隣の村の自営局に出してくれ。そうすれば通れるから。

 供をつけようか?」

「いえ、結構です。

 アガまでなら馬車で一日かからないでしょうから」

丁寧に、ハヤテはいった。



王が手配してくれた馬車に乗り、揺られる事半日と少し。

あたりはすっかり暗くなり洞窟の入り口にある自営局に二人は案内された。

 「今日はもう遅いですから・・・是非休んでいってください」

「ああ…別に良いです。

 ね?ハヤテ」

「うん」

そんな二人の様子にとまどう案内人。

その様子に気づいたのかスバルは笑ってつづけた。

「あの…半日以上馬車に揺られてその間ずっと寝てたんですよ。

 これ以上寝たら疲れてしまうくらい。

 どうせ洞窟の中じゃ明かりも無くて朝も昼もわからないですから。

 仕事は早く済ませたいし、今いっちゃおうと思うんです」

せっかく温かい言葉かけてくださったのにすみません、とスバルはぺこりと頭を下げた。

結局案内人は折れ、せめてもといって弁当をよこす。

ふたりは礼を言うと自営局から出ていった。



来る 来る

人が 来る

霧の果てから 空の向こうから

来る 来る






 


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や・・・やばい!意味不明です!!ピンチ!

実は若そうで気軽な王様が書きたかったなんて口が裂けても・・・アガ!

もう小説進まなくて申し訳ない気持ちでいっぱいでした・・・これで少しは使えがとれた。

これからも、がんばってかいていきたいぜ!!

二人のお仕事は。陣の回収。

陣を回収すると何ができるんでしょうねぇ?