22 旅支度
「ああ!やっぱりいいねぇ。
着慣れた服が一番いいよ」
夜をハヤテたちと同じく宿で過ごし、日が明けてまもなくスバルはフエの道具屋へと向かった。
昨日汚れ落としを頼んだ旅装束は魔法薬で奇麗なっており
ほつれたところも丁寧に直してあった。
「ありがとう!フエさん。
これ、お代ね。」
二、三枚の銀貨を置く。
まいどという小さな声を聞かぬうちにスバルは店内を見にまわる。
「消毒液に乾燥パン、乾燥ルフに十二穀、アサカラにアマクサ。
あっとは・・・甘いもの・・・に、お茶葉。
なんだろう・・・そうそう、包帯ね。
それと・・・乾燥肉・・・っと!
ハヤテぇ、これぐらいあれば大丈夫だよね」
振り向いたそこに眠たそうなハヤテ。
ハヤテはやる気なさそうにうなずくと大きなあくびをした。
「これもおねがい」
「はいはい」
まるで遠足にでもいくかのように嬉しそうな様子のスバルをみて思わず笑みがこぼれる。
フエは一品一品、品を確認しながら言った。
「そういえばあんたたち、次はどこにいくんだい?」
「ああ・・・一応歓砂の陣を探そうと思って。
お城に行く前にお師匠様のところに行こうと思います。」
「お師匠様のところって・・・今回の秋里かい?」
「・・・?はい。そうですけど・・・」
気まずそうなフエの顔。
「秋里ってなんだよ」
そんな空気に割って入ったのはハヤテ。
眠そうな瞼を無理矢理こじ開けてスバルを見た。
「ああ・・・えっと、陣使いの集団が住むところだよ。
基本的に三年単位ぐらいで住むところが替わるから・・・
秋の空のようにかわりやすい里ってことで秋里。
まあ・・・ちょっとした集団だからね。お師匠様のところも。
歓砂に棲みはじめたのが去年の今ごろだから・・・きっと居ると思って」
「いないよ」
刺すような、声。
ゆっくりと振り返れば眉をひそめたフエがいた。
「え?」
「いないんだよ、フウジラ達は。
ついこの間挨拶に来たんだよ。
次は夜の國、旋夜だといっていたよ」
「せんやぁ!?」
旋夜といえば歓砂から七つほど離れた國で年を通してほとんどが夜だという。
歓砂からではたとえ陣を無視し、他の國を通り越したとしても一ヶ月以上かかるだろう。
「なんだ・・・せっかく幻光石かったのに・・・
っていうかユミレオどうしよう!?」
せっかくあてが思いあったったというのに。
と、いうかそれまでという約束だったのに。
スバルはきまずげにハヤテをみた。
ゆっくりと、じっくりと。
ハァ・・・
数秒の間の後に
深い、深いため息。
「分かったよ・・・いいか、旋夜までだからな。
それ以上は、なしだぞ」
スバルは、笑った。
「ヒィも行こうよう」
唐突に、スバルが言ったのは街に活気が満ちてきた昼ごろだった。
あらかた必要なものを買い揃え、あとは病院の料理長のもとへ行くだけということで
軽く食事をしていた時。
「は?」
「だから。
行こうよ、ヒィも」
「・・・無理だろう、どう考えても。
仕事があるのだから」
子供に諭すようにゆっくりという。
でも、とスバルは口をとがらせた。
ハヤテはというとどういうつもりなのか話しに参加する気はないらしく
しきりに熊肉サラダをほおばっていた。
「だいたい、最初はずいぶんと俺の事を嫌がっていたようじゃないか」
「む・・・
だって初対面だったもの。
こんなにお茶目だって知らなかったし」
「おちゃ・・・!!」
思わず赤面する。
咳払いを二、三。深呼吸を一。
息を呑んでスバルの目を見るがそれはあまりに寂しそうであった。
「大陸沿いにいくといったな・・・」
「え?・・・あ、うん。
途中で切れてるから正確には大陸プレート沿いだけどね」
少し考えたようにヒイラギは天井を見る。
視線を戻す途中ハヤテをみれば、にやにやしながら熊肉をおおばっていた。
「いいだろう。
しかたない・・・もしもお前が・・・まあハヤテでもいいが。
どちらか片方が俺に勝てたら、後から追いかけてやってもいい」
数秒の間。
「え?」
声を漏らしたのはハヤテ。
「だいたい弱い奴について行く気はない。
もしも俺より強く、少しでも興味を見出せたなら・・・後からおいかけてもいい」
「本当?」
にやりと笑った、スバル。
「さすがに今すぐは無理だがな、いつか。だ。
こんな約束でいいのならしてやろう。
あくまで、勝ててから、の話しだが。」
口から落ちそうになる熊肉を慌ててほおばる。
椅子を倒しながら立ち上がり、慌てってハヤテは言った。
「なあヒイラギ。
やめといたほうがいいとおもうぞ。
いやなら嫌といっておけ、こいつにかかわるとろくなことがない、多分。
面白半分で勝負すんなよ、勝っても負けても、後味悪いぞ」
」
ゆっくりとスバルをみる。
どちらが勝つとも負けるとも思ったわけではなく
ただこのままいくとスバルを戦うヒイラギがかわいそうに思えて。
ハヤテは真剣に言った。
しかしもう引けるわけもなく。
一瞬口篭もった間にスバルは目を輝かせた。
「じゃあ!じゃあ!歓砂のお城まで連れてってよ!そこでやろう!!」
「は?」
「国司として願状だすからさ!
戦闘部護衛としてつれてってよ!!歓砂のお城!
あたしあそこの闘技場好きなの。
すんごい奇麗なんだもの!」
もちろん目を輝かせながらいうスバルをとめられる訳もなく。
ヒイラギは相当嫌そうに眉を顰めながら言った。
「はい、お弁当。
また、来ておくれよ?」
本当に名残惜しそうに料理長は言った。
まさかお弁当をもらえるとは思っていなかったため二人は大変喜んだ。
願状をだして、その場で許可印をもらい、ヒイラギの荷物を取りに行き
調理場へ行ったのは込みはじめる夕方であったのにも関わらず
料理長は丁寧にお弁当をつくり、三人に差し出した。
「ちょっとおおいかもしれないけど、まあだいじょうぶだろうね。
ヒイラギさんも行くのかい?」
「・・・ああ。
国司に護衛を頼まれて・・ちょっと城下までいってきます」
苦々しい呟き。
ハヤテは小さく声を漏らした。
「だからいったのに」
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旅行にいっている友人のために、一生懸命ヒイラギを引きずっています。
っていうか普通あって一週間立たない人間に一緒に旅しようなどといわないですよね・・・
スバルの考えに裏はあるのか!?そこらへん、ついてみたいものです。
理由考えてないけどNE☆(オイ)
本当にヒィさんは描いていて楽しです。
でも自分設定ではとても強いはずなので・・・スバルが死なないか心配です。
きっとヒィさんだって旅したいんだよ・・・うん。
だからわがままに付き合ってあげてるんだよ・・・
どんどん都合の良い話しになっていきますね・・・!!
軌道修正をはからねば・・・!!
(2002/12/23....haruco)